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読んでいて、わかったことがあった。

私は、日本の世界でしか生きていないんだな、ということ。

当たり前かもしれないが、

自分の性格も日本に影響されていたということを知った。

土地は人を変えると言っていたが、まさにその通りだと思った。

私の思考、そして見てきたものは、全部日本人の思考という観点からだけだった。

そのことに大きな衝撃を受けた。


国々で文化の違いがあるように、

好むもの、考え方、表現の仕方にも国々で違いがある。

しかし、私がよく悩まされる「集団の力」というものは、

世界共通であるらしい。

集団で同じようにしていればそれが当たり前になり、

人数が多ければ多い程その影響は凄まじく、

「少数派の人も当たり前に感じてしまえば大多数の仲間入り」

となっていく。

「あれが正しい」というものは本当はないのではないかと思うが、

その集団にとってそれは当たり前であり、正しいのだ。

私はそれを、個々の集団レベルでしか考えたことがなかったが、

世の中はもっと広い。

それを知ることが出来た。


こうなると、「歴史の勉強がなんだ」とは言っていられない。

その「集団の力」は、国を基礎に生まれるものであり、

現代の国の基礎は歴史なのだ。


きっと、文化を理解するということは、その人を理解することに繋がる。

人として生きていく中で、

何かだけが間違っているわけではなく、

何かだけが正しいわけでもなく、

全てが正しくもあり間違っているのではないかと思う。

だから、自分に反するものを蹴飛ばすより、理解し受け入れることが

自分にも相手にも優しいあり方だと私は考えている。


何を正すことが正しいのか、それすら本当は謎だ。

これを考えていくことはとても難しい。

だから人はある程度のルールを作り、

それを正しいと決め込んで「守れ」と言う。

守らなければ「間違い」守ることが「正しい」。

そうして曖昧な部分をはっきりさせることで

集団生活をうまく成り立たせている。

これが集団社会であり、現実であると思うのだ。

「何にも縛られず自由に生きたい」と言う人がよくいるが、

本当の意味で自由に生きるということは、

自分が自分でなくなるということではないだろうか。

何かに縛られているからこそ、

共感したり反発したりと

自分の考えが生まれるものだと思うのだ。

私は集団の力を怖いと思うが、その力は悪者ではない。

うまく機能できれば、それこそ頼もしいくらいの力だ。



自分に相手に優しい方法は理解することだと言ったが、

勘違いをしないでほしい。

理解するのと、それを自分のルールにしていくのとでは

まったく別の話である。

集団ごとにルールがあるように、

きっと自分の中にもさまざまなルールがある。

それに反していることを全て自分の考えにしようものなら、

最初からルールなんて無かったようなものだ。

たくさんのものを受け入れて見失ってしまうもの。

それは自分だ。

これがいわゆる「流される」こと。

もちろん、人に影響されて自分のルールを改めて変えていくことは

自分の力になるし、それが「成長」だと思う。


また、「なぜ?」という疑問から社会にあるルールを理解することもできず、

理解させる大人もいなく、

自分の中で答えを出す子供が増えてきている気がする。

刺激を受けたものを取り入れ、

受け入れてくれたものを受け入れ、

社会のルールがどうというのではなく、

自ら独特なルールを作り出していく若者が増えているのではないのだろうか。

今までの大人が築いてきたルールに適さないルールをもった若者が増えているから、

「今の若者は・・・」と言うのではないだろうか。

若者は、わからなかったのである。

だから、もがいたのである。

ルールを作るのは、きっと生き物の習慣だと思う。

ルールのない世界ではきっとうまく生きていけないのだ。

同時に、ルールを守らなければ世の中をうまく生きられない。

しかし、よくわからないルールの中に置き去りにされた子供を、

大人は責めることができるのだろうか。

むしろ、自分でルールを見つけたことを

褒めるべきではないだろうか。

うまく生きるために子供はルールを作ったのだ。

たとえ、それが社会のルールに適したものでなくても。

わからないものは、わかるように教えてもらえば

子供だって理解しようとするし、

大人になってからでもその意味に気づけると思う。

だから、「今の若者は・・・」と言う前に、

教えてあげればいいのにと思う。

だから、私は教えてあげたいと思うのだ。

置き去りにされ、頑張って這い上がったのに突き飛ばされたら、

いったいどこへ行けばいいというのだろうか。

非常に難しい問題である。



自分のルールがわからない人。

社会のルールが理解出来ていない人。

こういう若者が増えているのも一つの社会現象だと思う。



それではまとめに入る。



個人レベルに重点を置いてきた私だったが、

今回、国レベルを理解することの重要性を感じた。

なぜなら。

人一人を理解することと国の特徴・文化を理解するのは、

繋がりはしてもまた少し別の話。

しかし、別の話のくせにとても深く関わっているのだ。

だから、片方を理解したからもう片方がわかるというわけではなく、

両方を知って深みが増していく。

新しい見方に気づくことが出来たのだ。

一つの国に住む色んな人とふれあい、

また違う国に住むたくさんの人とふれあうことで、

二つの国の違いが見えてくる。

国のルールが見えてくると思った。

そこで初めて、国の特徴をつかめる。

地方や土地レベルにしてもそうだ。

そこにあるルールを知ることで

「だからこの人はこうなのか」と思えるのかなと思った。

人を一人だけとして考えるのも大切だが、

その一人は集団で生活しているのだ。

たくさんのルールや集団に囲まれて生きているのだ。

生きている集団をもっと深く理解出来れば

一人をもっと深く知ることが出来るのかもしれないと、

視野が広がった気がした。



私がしたいこと。

正しいこと間違っていることを見つけて正していくのではなく、

一緒に、その子のルールを見つけていくことなのかな、と思った。


この一作を読んで、そんなことを考えた。
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